「選択肢の多い治療法」患者様の生活を考慮し、負担の少ない治療法をおすすめしています。
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内視鏡手術

内視鏡手術当院では、腹腔鏡下手術や子宮鏡下手術などの内視鏡手術を行っています。
腹腔鏡下手術は、おなかに小さい穴(5-10mm)を3-4箇所開け、そこから細いカメラと鉗子を入れて行う手術です。カメラの映像はテレビモニターに映し、テレビを見ながら手術をします。
この手術では、おなかの中が3次元ではなく、2次元のテレビモニターに映し出されるため、遠近感がつかみづらく、慣れないと非常に難しい手術です。

最近になり、ある一定の技術を習得した医師には、学会が技術認定をするようになりました。日本外科内視鏡学会や日本産科婦人科内視鏡学会が、認定を行っています。この認定には、どれくらいの手術数を行ったか、学会発表や論文など学術的な活動をしているかなどに加え、実際の手術をビデオに撮り、それが審査されます。なかなかハードルの高い認定制度となっています。
内視鏡手術

認定証
群馬県では、当院の院長を含めわずか7名の医師のみがこの認定を受けています。もちろん学会員でない先生や、申請を行っていない先生の中には、高い技術を持っておられる先生もいるとは思いますが、この認定がある程度の目安になることは間違いないと思います。
当院では、年間100件以上の腹腔鏡下手術を行っています。婦人科良性手術の多くがこの腹腔鏡で行われるようになってきました。対象となる疾患は、卵巣嚢腫や子宮内膜症、子宮外妊娠などです。子宮筋腫も大きさや手術方法によっては、この腹腔鏡で可能なこともあります。

認定研修施設

腹腔鏡のメリットは、おなかの傷が小さいので“術後痛くない”ことが一番にあげられます。次に“傷が小さく目立たない”ので女性にとっては好ましい手術といえます。さらに早く元気になるので“入院期間が短く、早期の社会復帰が可能”なことがあげられます。デメリットは、当然従来の開腹手術より難しいので、技量に見合った手術の適応選択が必要になることです。
大きすぎる腫瘍や、癒着のひどい場合などは、あらかじめ開腹手術にするか、術中に開腹手術に変更になることを十分お知らせしておくことが必要です。また、悪性が疑われる場合は、現在のところ開腹手術となることがほとんどです。
内視鏡手術を希望される方は、婦人科専門外来を受診してください。

当院は、日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設です。

腹腔鏡下手術のメリット

1. 手術の傷が小さく美容的
2. 術後の痛みが軽い
3. 入院期間が短い(早く退院できる)
4. 早期の社会復帰(早く日常生活に戻れる)
5. 術後の癒着が少ない(卵管などの癒着が起こりにくく不妊症になることが少ない)

腹腔鏡下手術のデメリット

手術中の予期できない出血や癒着のために、開腹手術に移行したり輸血しなければならないことがあります(開腹する可能性は約300例に1例、輸血は500例に1例です)。
腸管損傷、血管損傷、尿管損傷などの合併症は開腹術と同様です。その場合は最善の処置を行います。腹腔鏡下手術が安全に行えれば、開腹手術に比べデメリットはありません。手術時に摘出したものが悪性のものであった場合には、後日再手術が必要になる場合もあります。

適応症例

・良性卵巣のう腫
・子宮内膜症
・子宮筋腫
・不妊症
・子宮外妊娠 など、婦人科良性疾患の多くが腹腔鏡下手術の適応となります。

手術日の決定と術前検査

手術の日程が決まりましたら、手術の2週間前までの間に術前検査(血液検査、レントゲン検査、心電図など)を受けていただきます。また術前検査の日に、相談コーナーにて入院予約をしていただきます。原則として手術日の前日入院となります。入院後、術前検査確認、再度診察をさせていただいたうえ、手術施行となります。

入院期間、費用

原則として入院期間は6泊7日(手術前日入院、術後5日目退院)です。術後に出血や発熱、経過不良がある場合には退院が延期することもあります。
入院と手術はすべて健康保険が適用されます(個室使用料は除きます)。手術の方法により費用は異なります。

入院後のスケジュール

入院:問診、シャワー、夕食後浣腸
手術:朝浣腸、午後手術、麻酔(全身麻酔または脊椎麻酔)
1日目:点滴、採血、消毒、昼より食事開始、歩行開始
2日目:シャワー
3~4日目:採血、診察
5日目:退院

退院後のスケジュール

退院後一週間程度は、自宅安静が必要と思われます。
退院後一週間目と、一ヶ月後に診察のため来院していただきます。
一週間目の診察以後は、通常の生活に戻っていただいてかまいません。
手術時の状態によっては、再度腹腔鏡検査・手術が必要になる場合があります。


相談コーナー